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赤ちゃんのねんねにおける暑さ対策SIDSを防ごう
おくるみ

【睡眠コンサルタントコラム】赤ちゃんのねんねにおける暑さ対策~SIDSを防ごう!~

 

 赤ちゃんのねんねにおける暑さ対策SIDSを防ごう

乳幼児の睡眠コンサルタント『BABY SLEEP SCHOOL TOKYO』ゆいなだ陽子さん、吉岡ゆうこさんとのコラボ企画。
コラム第二弾は「乳幼児突然死症候群(SIDS)とねんねにおける暑さ対策」についてご紹介します。

 

乳幼児突然死症候群(SIDS)って何?

妊娠・出産を経験した方は、おそらくほとんどの方が聞いたことのある言葉だと思います。あまり怖い話はしたくないのですが、日本ではなかなか学ぶことが少ない情報であるため、今回は姉妹で睡眠コンサルタントをしている私たちが、姉のゆいなだ陽子(以後、陽子)と海外での出産経験がある妹の吉岡ゆうこ(以後、ゆうこ)の実体験を交えてお伝えすることにしました。


アメリカやオーストラリアでは日本よりも情報が多く、ママとパパたちへのSIDSの教育が進んでいます。オーストラリアで出産した妹のゆうこは、産院から配布された資料の中にSIDSについて詳しく記載されたページがあり、SIDSを防ぐための対策についても時間をかけて詳しく説明がありました。

 

日本のママへのSIDSについての教育は?

多くのママがSIDSのことを初めて知るきっかけは、おそらく母子手帳やプレママクラスではないでしょうか。
私たちが持っている母子手帳には以下のように記載されています。

SIDSとは、それまで元気だった赤ちゃんが睡眠中に何の前ぶれもなく亡くなってしまう病気です。原因はわかっていませんが、下記のような点を日頃から心がけることで、この病気の発生を減らせることがわかっています。

・赤ちゃんを寝かせるときは、あお向け寝にしましょう
・妊娠中や赤ちゃんの周囲では、たばこを吸ってはいけません
・できるだけ母乳で育てましょう

 


2022年に出産した姉の陽子は、行政が主催していたプレママクラスにてSIDSの説明はありましたが、母子手帳と同様の記載をそのまま読み上げられたのみで、それ以上の詳しい話は聞く機会がありませんでした。その事実に妹のゆうこは驚きを隠せません。なぜなら、オーストラリアでは当たり前のように力を入れて周知されることで、産後訪問してくださる保健師さんにも毎回安全な睡眠環境が保たれているか確認されるくらい大事なこととされているからです。
それくらい、海外と日本では認識に差があるんですよね。

 

SIDSに原因はない?!

SIDSは赤ちゃんの呼吸中枢が関係していると言われています。赤ちゃんは睡眠時に何らかの原因で無呼吸になったときには、すぐに覚醒反射が起こって無呼吸が回避されます。この呼吸中枢の何らかの異常のために覚醒が遅れてしまい、長い無呼吸に陥ってしまうことで死亡すると考えられています。※1

しかし、SIDSは必ずしも原因が特定できず、また事前の予測も不可能なため、完璧な予防法はありません。しかし、我が子の命を守るための対策ができないまま、私たちはただただ祈るしかないのでしょうか?!

実は!そんなことはないんです。

確かにSIDSの原因は不明とされていますが、睡眠中の安全を確保してリスクを減らすことはできます。SIDSの他に睡眠時に発生する事故(落下や窒息など)については、私たちパパママが予防できる対策もたくさんありますので、一緒に見ていきましょう。 

 

SIDSや睡眠時の事故を予防するためにできること

 SIDSを防ぐ対策

日本では、2021年には81名の乳幼児がSIDSで亡くなっています。厚生労働省は毎年11月を『SIDS対策強化月間』とし、発生防止にむけて啓蒙活動をしており(※2)、上述の母子手帳の記載と同じ3点を予防策として掲げています。

日本の予防策3点ももちろん重要なのですが、アメリカの小児科学会では、睡眠時の事故防止にむけてさらに細かく対策があげられているので、ご紹介したいと思います。


アメリカの小児科学会が推奨する睡眠時の事故対策(一部抜粋) ※3

●仰向けで寝床に置くこと
●硬く平らで傾斜のない寝床を使用すること(窒息対策)
●暖めすぎないこと
●枕、クッション、ふかふかの布、ブランケットや掛け布団、マットレスとサイズの合わないシーツなどは赤ちゃんの寝床から取り除くこと(窒息・SIDS対策)
●発達のためにも腹ばい運動を取り入れること(生後7週までに一日合計15分~30分)
●なるべく母乳で育てること(SIDS対策)
●1歳まで(少なくとも最初の6か月間)は、親と同室で別の寝床(乳児用に作られた寝床)で寝かせること
●睡眠時におしゃぶりを使用すること(SIDS対策)
●妊娠期から喫煙を避けること
●飲酒、薬物の使用を避けること
●予防接種を受けること



これでも一部抜粋です。いかにアメリカの小児科学会が睡眠時の事故防止に力を入れているかがよくわかると思います。

特に毎年12月以降の冬は、SIDSの発生が増える傾向にあります。厚労省が毎年11月を対策強化月間に指定しているのも、寒くなってきてSIDSが増えてしまうことを懸念しているからなんですね。

寒くなってくると、寝冷えが心配で着せる物を分厚くしすぎたり、掛け布団をかけてしまうことも多いと思います。ですが、アメリカ小児科学会が「暖めすぎないこと」と伝えているとおり、赤ちゃんを着せすぎたり寝室を暖めすぎたりしてしまうことは避けるようにしましょう。

 

とにかく暑さには気をつけて!寝る時の寝室環境とおすすめの服装

 赤ちゃんが寝る時の寝室環境と服装

赤ちゃんが安全に、そして快適にぐっすり寝るためには、涼しくしてあげることが大切です。これは夏も冬も同じです。

赤ちゃんは体温調節機能が未熟


赤ちゃんは体温調節機能が未熟です。特に汗をかく機能が未熟で、暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまうため、体内に熱がこもりやすく体温が上昇しやすいです。

また、日本の夏はとにかく暑いですよね。過度な体温上昇はSIDSのリスクの1つです。赤ちゃんのためにも、常に涼しい環境を心がけてあげてくださいね。

赤ちゃんの暑いサインはこちら!

 □胸元が湿っていて汗をかいている
 □耳が赤くて熱く、首に汗をかいている
 □心拍が速くなっている
 □熱があるが、汗はかいていない
 □だるそうにしていて反応が鈍い


手足を触って多少冷たくても、本人は暑いこともあります。手足ではなく、首の後ろや胸元、背中に手を入れて確認してみましょう。

 

寝室は涼しくしましょう ~理想の室温と湿度とは~

日中活動するリビングなどはエアコンをいれることが多いと思いますが、夜間はどうでしょうか?

夜間に過ごす寝室も日中と同じように適温に調整しましょう。しっかりと室温を下げて、赤ちゃんの体温上昇を防いであげることが大切です。

赤ちゃんが過ごすのに理想の室温と湿度

 

理想の室温や湿度は、お住まいの地域や住環境、お部屋の間取りや窓のある方角などにも影響するため、あくまでも目安ですが、寝室に入った時に私たち大人が肌寒いと感じるくらいがちょうどいいです。上記の室温と湿度を維持するには、夏は冷房と除湿、冬は暖房と加湿がマストですね。

なお、ベビーベッドやお布団は、エアコンの風が直接当たらない場所に設置してくださいね。詳しくは前回のコラムをご覧ください。

シーズン別・寝る時の服装

室温と湿度を意識して心地よい寝室環境を作ってあげたら、次に意識したいのは赤ちゃんに何を着せて寝かせるかです。

以下の表を参考に、着せすぎには注意していきましょうね。

季節別赤ちゃんの服装


赤ちゃんの胸元や背中に手を入れて、ほんのり暖かくてドライなのがGOOD!
エアコンの設定で室温の管理が上手くできない場合には、着せるもので調整してあげるといいですよ。

 

ブランケットは不要で、エルゴポーチのスワドルやスリーピングバッグを

 エルゴポーチのスワドルとスリーピングバッグ

上記のとおり、エアコンと服装で調整してあげたら、その上に着せるのはスワドルやスリーピングバッグのみで大丈夫です。ブランケットや掛け布団は顔にかかって窒息してしまう可能性があるため控えましょう。

おすすめは、エルゴポーチのコクーンスワドルやスリーピングバッグです!
季節と室温にあった生地の厚さのものを着せてあげましょう。
春や秋には1.0togのものを、夏には0.2や0.3togのもの、そして冬には2.0や2.5togのものが最適です!

 



前回のコラムでもお伝えしましたが、赤ちゃんのねんねは安全第一!ママやパパたちの不安も少なくなることがぐっすりねんねにつながります。

次回は、赤ちゃんの睡眠メカニズムについてお伝えします。赤ちゃんのねんねってこうなってるんだ!と理解を深めると、さらに我が子を愛おしく感じられると思いますよ。

 

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この記事の監修・執筆

乳幼児の睡眠コンサルタント『BABY SLEEP SCHOOL TOKYO』を紹介している

『BABY SLEEP SCHOOL TOKYO』様

ゆいなだ陽子さん
慶応義塾大学法学部を卒業後、大手国際法律事務所に就職。社会に直接還元できる仕事をしたいという想いを強くし、17年のキャリアを離れ、スリープコンサルタントの活動をスタート。

吉岡ゆうこさん

青山学院大学英米文学科を卒業後、大手企業の海外営業や国際税理士事務所のバイリンガル秘書として勤務。2014年にオーストラリアで長女を出産。現地でネントレに出会い、毎日が見違えるほど楽しくなった経験が、現在の活動の原点となる。

 

まとめ

海外のように、日本でもSIDSに関する正しい情報が広がって、赤ちゃんが安全に過ごせる環境を当たり前に整えられるようになると良いですよね。

次回は「乳幼児の未熟な睡眠メカニズム」についてお伝えしていきます。お楽しみに!



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