【睡眠コンサルタントコラム】スワドルで寝れない赤ちゃんにまず試してほしい4つのこと
乳幼児の睡眠コンサルタント『BABY SLEEP SCHOOL TOKYO』ゆいなだ陽子さん、吉岡ゆうこさんとのコラボ企画。
最終回となるコラム第四弾は「スワドルで寝れない赤ちゃんにまず試してほしい4つのこと」についてご紹介します。
はじめに
スワドルは、赤ちゃんをママの子宮の中にいた時のような感覚・姿勢にしてくれるため、モロー反射のある月齢(寝返りの兆候が出るまで)の赤ちゃんがぐっすり寝るための手助けをしてくれます。ですが、必ずしもスワドルを着せるだけで泣き止むというわけではありません。むしろ、泣くのが強くなり嫌がっているようにみえてしまうことも。
スワドルを着せようとすると泣いてしまった場合、嫌なのかな、、と着せるのを諦めてしまうこともあるかと思います。ですが、すぐに諦めてしまうには勿体ないくらいスワドルにはメリットがたくさんあります。スワドルの効果をきちんと発揮するには、まずは環境を整えて睡眠のメカニズムを知ることが大切であることはこれまでのコラムでお伝えしてきました。それでもなお眠れない場合には、次のステップとして寝かしつけのタイミングや寝かしつけ方を見直しましょう。
日中、赤ちゃんが泣いてぐずるまで起こしていたりしませんか?疲れすぎた赤ちゃんはストレスが溜まり、アドレナリンやコルチゾールというホルモンの分泌が促され、眠いのに落ち着けない状態になります。寝付きにくくなったり、入眠してからも長く眠り続けるのが難しくなります。つまり、スワドルを着せても効果が正しく出ない、ネントレができる状態とはほど遠くなってしまうのです。
実は赤ちゃんが日中に規則正しく過ごせず、昼寝をできなかった日ほど、快眠とは逆の作用が生じる可能性があります。夜泣きや寝ぐずり、寝てもすぐに起きてしまうなどの睡眠トラブルに繋がることも。
赤ちゃんの睡眠の質を高め、ぐっすり眠ってほしいのであれば、生後6~ 8週間頃からは日中に生活リズムを作り、子どもを疲れさせ過ぎないこと。そして、寝かしつけのタイミングを見極め、子どもがぐずぐずするのを待たずに親が先導して眠りへと導いてあげる必要があります。
生活リズムを制するものが、ねんねを制する!
1. 生活リズムを作る、赤ちゃんの「活動時間」とは
赤ちゃんにはAwake timeと言って、起きていられる時間の限界(=活動時間)があることをご存じでしょうか?実は赤ちゃんが起きていられる時間ってとても短いんです。
この限界を超えると、赤ちゃんは疲れすぎてしまい、寝かしつけのタイミングを逃してしまいます。まずはこの活動時間を意識し、疲れすぎていない状態で寝かしつけてあげましょう。
前回のコラムでお話したように、朝一番に体内時計をリセットしたら、日中は活動時間の目安を意識して過ごし、眠くなるタイミングを把握し、疲れすぎる前に寝かせてあげることで、規則正しい生活リズムがついていきます。そうすると、夜の睡眠も安定しやすくなっていきます。
ただ、実は厄介なことに、活動時間単体だけでは寝かしつけのタイミングを見極めるのは難しいこともあるんです。なぜなら、一人一人個人差があるし、その時の条件(昼寝の長さや前の晩の睡眠時間、体調等)によっても眠くなるタイミングが異なってくるからです。では一体、何を基準に判断したらいいのでしょうか?
前回のブログはこちら★
【睡眠コンサルタントコラム】どうしてうまく寝られないの?~赤ちゃんの睡眠を知ろう~
2. 活動時間終了の合図=「眠いサイン」
活動時間が限界に近づくと、赤ちゃんは「眠いよ~」と合図を出してくれます。もちろん話すことはできないので、小さなサインでお知らせしてくれます。ぐずぐずしたりギャン泣きする前に、一見気づかないような僅かなサインを見せてくれますが、皆さんは意識したことはありますか?
大人と違って、疲れたら寝る!ができない赤ちゃん。そのサインをまずは見つけることが鍵です。
わが子の眠いサインが分かると、場合によっていつもより早く眠くなることがあることにも気が付くと思います。赤ちゃんからの「疲れすぎたサイン」を待たずに、私たち親が小さなサインに気が付いて率先して寝かしつけてあげることで、いつもより早めに寝かせたり、少し長めに起こしてあげて睡眠圧(覚醒している間に溜まる睡眠への欲求)を蓄積してから寝かせた方がいい、など判断が容易になります。対応に迷わずに済むと、育児が楽になりますよね。
寝かしつけのタイミング=活動時間の限界が来る前に出る眠いサインが合図
さて、睡眠に誘導するタイミングが分かったら、いよいよ寝かしつけです。皆さんはどのように寝かしつけていますか?寝かしつけ方に正解はないものの、「寝かしつけの前」には必ず取り入れてほしいことがあります。
3. 「寝る前のルーティン」の導入
赤ちゃんは次の予測できる行動をとることが大好き。寝る前に行う儀式を作り、毎日繰り返すと、赤ちゃんは賢いので「もう寝る時間なんだ」とすぐに理解してくれます。心の準備ができると安心できるので、次に起こることを受け入れやすくなります。
研究によると、寝る前のルーティンをしている子は、
①就寝時刻が早くなる可能性が高く、②寝付くまでにかかる時間が少なく、③睡眠時間が長く、そして④夜間の目覚めが少なくなることが分かっています。*1
寝ることに前向きな状態で寝てもらえると、自分の気持ちを自分で落ち着かせて一人で眠ることが可能になっていくので、是非取り入れてみてください。
ルーティンは、2~3分でOK。毎回繰り返すため、難しくなくて大丈夫です。是非取り入れてみて、赤ちゃんが安心して眠れるように導いてあげてください。
4. 入眠時の習慣を変える(ネントレ)
せっかく寝付いたのに、30~40分程度で起きてしまったり、夜泣きがあるときは、入眠したときと、眠りが浅くなったときの環境が異なっているのが理由かもしれません。抱っこや添い寝で寝かしつけている場合、眠りが浅くなった時に親の存在がないことに不安になり覚醒している可能性があります。入眠したときと夜中の状況を同一にするためには、親の存在がない状態で入眠できるようになると、長く眠れるようになるというわけです。もちろん抱っこや添い寝も悪いわけではないので、何もトラブルがないのであれば問題はありませんが、家族全員がハッピーに継続できる寝かしつけにしておくことは大切です。
赤ちゃんが一人で眠れる力を育ててあげると、殆どのトラブルは解決し、睡眠の質が向上します。環境と生活リズムがつき、タイミングが見極められるようになったら、赤ちゃんが自分の力で寝付いていけるように以下のポイントを押さえてみましょう。
①甘え泣きは様子を見る
空腹やおむつの不快感等がなく、眠いという理由だけで泣いている場合、泣いたからといってすぐ駈け寄っていると「あやしてもらって寝る」という習慣を教えていることになります。ちょっとぐずっている程度だったら、まずは数分様子をみましょう。そのままスッと寝ていくかもしれません。
②一貫性のあるあやしをする
日によって抱っこで寝かせたり、一人で寝かせようとしてみたりとあやし方をころころと変えていると、赤ちゃんは親のサインが理解できず困惑してしまいます。いつも同じ寝床で、いつも同じ寝かしつけ方をすることで、赤ちゃんは安心して寝付けるようになっていくので、まずは大人の対応を一定にしていきましょう。
③個々に合った対応をする
ネントレがうまくいかない場合、何らかの原因があります。その原因を突き止めて個々に合った適切なメソッドでアプローチすると、改善していきます。また、必要な一日の合計睡眠時間も個人差が大きいので、食欲や食事量と一緒で、数字だけに囚われずに子どもの個性もみてあげたいところです。自分でやってみてもうまくいかない場合は、ぜひ睡眠のプロに相談してみると、親子共にストレスなく、スムーズにネントレができます。
いかがでしたでしょうか?脳の発達に重要な乳幼児期に、充分な睡眠時間は必要不可欠。良質な睡眠を得られるようにしてあげたいですよね。
赤ちゃんのねんねは千差万別で、子どもの気質や住環境に合ったアドバイスをさせていただくとあっという間に解決します。ぜひ一人で抱え込まずに、BABY SLEEP SCHOOL TOKYOにご相談くださいね。
子どもはもちろん、大人にもしっかり睡眠時間を確保して笑顔で子育てしてほしいと願っています。
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この記事の監修・執筆
『BABY SLEEP SCHOOL TOKYO』様
ゆいなだ陽子さん
慶応義塾大学法学部を卒業後、大手国際法律事務所に就職。社会に直接還元できる仕事をしたいという想いを強くし、17年のキャリアを離れ、スリープコンサルタントの活動をスタート。
吉岡ゆうこさん
青山学院大学英米文学科を卒業後、大手企業の海外営業や国際税理士事務所のバイリンガル秘書として勤務。2014年にオーストラリアで長女を出産。現地でネントレに出会い、毎日が見違えるほど楽しくなった経験が、現在の活動の原点となる。
まとめ
4回にわたってご紹介してきた乳幼児の睡眠コンサルタント『BABY SLEEP SCHOOL TOKYO』ゆいなだ陽子さん、吉岡ゆうこさんとのコラボ企画はいかがだったでしょうか。
赤ちゃんに合ったアプローチで、赤ちゃんが心地よく過ごせて、赤ちゃんもママもぐっすり眠れる環境をしっかり整えていきたいですよね。
ゆいなだ陽子さん、吉岡ゆうこさん、素敵なコラムを作っていただいてありがとうございました。