【睡眠コンサルタントコラム】新しい家族を迎える準備~赤ちゃんのねんねアイテム~
子どもの睡眠相談室『クークールナ』川口様とのコラボ企画。
最初のコラムは、プレママさんにも読んでほしい出産準備品や赤ちゃんのねんねのための準備などを紹介する「新しい家族を迎える準備~赤ちゃんのねんねアイテム~」です。ぜひご覧ください。
はじめに
赤ちゃんを迎える準備、赤ちゃんの生活服やお風呂、授乳グッズなどなど出産準備品はたくさんありますね。ねんねに関しては意外にシンプル。生まれてくる赤ちゃんの安眠のためにそろえておきたいアイテムをご紹介します☆
1. 小さい赤ちゃんのねんね準備
ポイント1「安全で安心」
ねんねの時間は、ママとパパから離れて過ごす時間。生まれたての赤ちゃんは起きている時間よりも寝ている時間の方が長いことも。
月齢の低い赤ちゃんの睡眠は大人の睡眠サイクルとは違い、Active Sleep(活発な睡眠)とQuiet Sleep(静かな睡眠)の二つに区別されます。Active Sleepの間は、身体がよく動いて、思ってもみない体勢や場所に移動することもあるのです。
ママとパパが赤ちゃんが寝ている間も心配せずにいられる安心安全な寝床を整えてあげましょう。
ポイント2「赤ちゃんが安心できる条件」
赤ちゃんは、ママのお腹の中から出てきた瞬間から、外の世界の様々な刺激にさらされて、まだ慣れていません。光や音、肌に触れるもの全てが初めての感覚です。ねんねの時は、ママのお腹の中の環境を再現して緊張を解いて寝かせてあげるのが一番です。
また、赤ちゃんはママのお腹の中では、手足を身体の中心に集めた「まるい姿勢」で過ごしていましたが、赤ちゃんは、まるい姿勢に自分でなったり、その姿勢をキープする筋肉が未発達です。地球の重力すら重く感じて思うように動けません。手足が自分の意思に反してユラユラ動いて困ってしまうこともあります。
外の刺激に慣れ、自分の好きな体勢を作ることができるまでは、ママのお腹の中の環境や姿勢を再現してあげることがぐっすりねんねにつながります。
2. 赤ちゃんと大人の心地よい睡眠環境の違い
睡眠サイクルがママやパパと赤ちゃんでは違っているのと同じで、心地よいと感じる睡眠環境も違ってくるということをご存じでしょうか。
大人はのびのび好きな寝姿勢になりながら寝る方が心地よいと感じますが赤ちゃんは「のびのび」が不安になってしまうことがあります。また、光や音環境も人それぞれに「心地よい」と感じる条件があります。真っ暗だと不安になり睡眠の質が下がる方もいれば、光が気になって眠れないという方も。
赤ちゃんにとって心地よい睡眠環境とはどのような環境でしょうか。
小さい赤ちゃんは音が「刺激」となって体が反応してしまいますし、眠りの質を考えると、大人も電気を消して静かな状態の方が好ましいのですが、生まれたての赤ちゃんは、一点の光を見つめると自分から目をそらすことが苦手なため、大人よりももう少し配慮が必要かもしれません。
体温調節機能や汗腺がまだしっかり発達しておらず、まん丸体形で代謝も高い赤ちゃんの身体は、熱がこもりやすく暑がり。赤ちゃんは大人よりも暑さに弱いのです。
こうした音や光、温度を調節してあげることで、赤ちゃんが安心して眠りやすい環境を整えることができるのです。大人の体感ではなく、赤ちゃんに合わせた睡眠環境を整えることが成長する上で重要になってきます。次にご紹介する出産準備品と合わせて音や光、温度についても注意してみると良いでしょう。
3. ねんねのための出産準備品
Item1 寝具
- 赤ちゃん用のマットレス
- 防水シーツ
- フィットシーツ
掛布団・枕・ベッド・バンパー・タオル・ぬいぐるみなど柔らかいものはが乳幼児突然死症候群のリスクを上げるといわれています。
赤ちゃん用の硬いマットレスにしっかりフィットシーツをかけて赤ちゃんのねんねのスペースは出来上がり。フィットシーツの下には防水シーツを敷いて。フィットシーツと防水シーツを2セットかけておくと、夜中のおむつ漏れもの時も1セット分はがすだけで楽に替えられますよ。
赤ちゃんのねんねのスペースには、マットレスとシーツと赤ちゃんのみ。ちょっとシンプルで寂しく感じてしまいますが、これが安全な赤ちゃんのねんねスペースです。
添い寝のご家庭では、大人のお布団は柔らかすぎて赤ちゃんには危険なので、赤ちゃん用のお布団を準備してあげましょう。
Item2 スワドル(おくるみ)
赤ちゃんの掛布団でもあり、ママのお腹の中にしっかりと包まれた状態に似た姿勢でホールドしてあげられるのがスワドルです。
赤ちゃんはモロー反射も残って、物音や姿勢の変化の刺激で起きてしまったり、自分の意思で止められない手足の動きが出てなかなか眠れず困ってしまうことも。そうした動きを止めて、お腹にいた手足が体の中心に集まるお腹にいた時の姿勢で維持してあげるのがコクーンスワドルバッグです。
脳の発達が進み、モロー反射が落ち着いてきて反り返る姿勢で寝返りの練習を始めたら、コクーンスワドルバッグを卒業の時期のサイン。バタフライカーデで練習しながら、スリーパー(ジャージースリーピングバッグ)に変えて引き続きぐっすりねんねを。
Item3 ホワイトノイズマシン
ママのお腹の中は常にママの心臓や血流の音で満たされていました。小さい赤ちゃんにとっては、外の世界は意外に静かで不安になるかもしれません。また、小さい赤ちゃんは突然の音の刺激でモロー反射が出てしまいます。
ママのお腹の中の音の環境を再現して、突然の物音の刺激を和らげてあげる“音のカーテン“として、ホワイトノイズマシンを利用するのがオススメです。
使い方は簡単。「おやすみ」の挨拶が終わって消灯のタイミングでホワイトノイズをON。赤ちゃんの耳元で50db以上の音量にならないように注意して、寝ている間かけておきます。これで赤ちゃんが寝た後も、ご家族は生活音を気にせず過ごせるようにもなりますよ。さらに、ホワイトノイズは赤ちゃんだけではなく、大人の睡眠の質を上げる効果もあるので、家族全員安眠です。
Item4 温度・湿度計
赤ちゃんが快適に過ごせる環境は大人が感じるよりも「涼しめ」です。胎児の体温はいつもママよりも少し高くなっていて常に体温が放散される環境でした。
お腹の外に出て室温が高すぎたり、着せすぎたりすると体温をうまく逃がせず、乳幼児突然死症候群のリスクが上がるといわれています。
また、睡眠に入る時は体温(脳音)を下げて寝ていきますが、うまくいかないとなかなか深く眠れません。
小さい赤ちゃんに風邪をひかないようにと、つい一枚多めに着せてしまいがちですが、ママやパパの体感ではなく、赤ちゃんの寝床の位置での温度・湿度を目安にしてくださいね。
夏は室温は涼しめ、冬はお部屋を少し温めて、薄着でコクーンスワドルバッグを着せる、ことが安全と安眠のポイントです。
この記事の監修・執筆
子どもの睡眠相談室『クークールナ』様
川口リエさん
オーストラリアクィーンズランド州立大学環境科学学部卒業。
東京都出身。札幌市在住。2児の母(11歳の男の子、6歳の女の子)
CISA認定小児スリープコンサルタント講師。
長男を出産を機にライフワークバランスを模索して、公共事業を手がけるコンサルタントとして独立(Rebrote設立)
長男の2年間の夜泣きに悩みながらの社会復帰の経験から、長女の妊娠をきっかけに子どもの睡眠についての情報収集・勉強をスタート。
2018年子どもの睡眠相談室CoucouLunaクークールナ開設し1600件(2023年6月現在)を超えるご家族サポートと、睡眠講座の講師を務める。
ワーママサポートや、双子育児、きょうだいでの寝かしつけ等、ご家庭に合わせたコンサルティングを行っている。
まとめ
いかがだったでしょうか。
生まれてくる赤ちゃんが心地よく眠れるためにも、そして新しい家族を迎えるママとパパが安心して出産準備を進めるためにも、これからも正しい情報を取り入れていきたいですね。
次回もお楽しみに。