【睡眠コンサルタントコラム】赤ちゃん・子供が寝ない?~年齢別♪ねんね上手になる関わり方~
子どもの睡眠相談室『クークールナ』川口様とのコラボ企画。
第二弾となる今回のコラムは、夜通し寝ることが少ない新生児期の赤ちゃんだけでなく、生後6ヶ月~、生後1歳半~の朝まで寝る時期の赤ちゃんのねんねについてもご紹介しています。「赤ちゃん・子供が寝ない?~年齢別♪ねんね上手になる関わり方~」をぜひご覧ください。
はじめに
「この先、子どもが困らないように、早いうちから良い習慣を」と思うのが親心ですよね。睡眠も同じで、小さいうちから夜泣きや睡眠のトラブルなく眠れるようになって欲しいと思う方も多いかもしれません。
睡眠も、脳(認知・記憶・感覚)や運動の発達と一緒に成長発達していきます。赤ちゃんをねんね上手に育てるためには、月齢の発達に沿った関わりやサポートしていくのがとても重要になります。
特に、ねんねトレーニングは効果が劇的な経験談も多く、「早いうちにやりたい!」と思う方も多いかもしれませんが、ねんねトレーニングは限られた睡眠トラブルと条件の下で効果を発揮するものです。
ねんねトレーニングを含め、月齢に合わせた睡眠への関わり方をすることで、親子の負担を最小限にしながら、睡眠トラブルの予防ため、一人で寝る力を育んでいただきたいと思います。
1. 新生児~生後6ヶ月(小さい赤ちゃん)
この時期に大切なのは、「寝る」「起きる」「栄養を摂る」のリズムをしっかり作ること、ねんねの練習は「寝る時」にするのではなく、「起きてご機嫌な時間に」の意識を持つのが重要です。
まずは、朝の光を浴びる時間を決めて、起きる・寝るの体内時計の発達をサポート。1日の生活リズムを作っていきます。また、一人でゴロゴロ眠る環境に慣れ、自分の寝やすい姿勢を作る練習が大切です。
体内時計や生活リズムが整って、自分で好きな体勢を作れるようになるまでは、泣いている状態のまま寝るのを待つようなトレーニングをしてもなかなか効果が出ずに長引いてしまったり、「寝る前には泣く」の学習を強化してしまうので注意してください。
ねんねの目標目安
● 「起きる」「眠る」のリズムをつける…体内時計やお昼寝リズム
● 眠気に沿って眠る気持ちよさを覚える…胎内環境の再現(スワドルを活用!)
● ゴロゴロ1人でいる時間・姿勢を練習…腹ばい運動
● 眠る時間を前もって予測して受入れる…寝る前のルーティーン
● 眠いタイミングが予測できるようになったら起きているうちにベッドに置いて寝る練習。
注)グズリが強い時は無理しない。【ネントレ不適期】
2. 生後6ヶ月~生後18ヶ月
日中の生活リズムも規則正しくなり、日中に1日に必要な栄養のほとんどを摂れるようになる頃。そろそろ運動の発達も進んで、自分の好きな場所を選んで、自分で寝やすい姿勢になることもできるようになります。
また、この時期の赤ちゃんたちは、必ずしもママパパとの接触がなければ落ち着けないわけではありません。離れていても「ママパパは側にいる」と認識でき安心できるようにもなります。つまり、眠るためにママパパが直接接触してのサポートをしなくても眠れる発達が進んでいるということ。
もし、夜中何度もママやパパを「起きちゃったから、また寝かせてよ~」と起こしているようなら、自分で眠る力をつけると、親子ともに夜中にたくさん起きずに済みますので、寝るためのサポートは少しずつ減らしていくのが重要になってきます。その際、「寝かしつけ卒業」のトレーニング(ネントレ)を行って短期的に改善することもこの月齢では、選択肢の一つになります。
ねんねの目標目安
● 規則正しい起床・就寝・お昼寝リズムをつける。
● 日中にしっかり栄養を摂り、夜の栄養を最小限に。(夜間授乳の間隔は日中よりも長くなるように)
● 寝返り・寝返り返り・座ったり立ったりの状態からゴロンと転がる動作の練習。
● 授乳や抱っこ、トントンなど、ママパパが夜中寝かしつけの負担と感じような「寝かしつけ」を減らして自分で眠る練習をする。【ネントレ適期】
3. 生後1歳半以降~
どんどん運動の発達も進んで、頭の中で物語を組み立てられる「想像」の力が芽生えます。記憶も複雑になり、物事を前後のストーリーを含めて覚え始めるなど精神や記憶の発達が著しく、この時期の睡眠トラブルにはこうした精神と記憶の発達が影響していることが増えてきます。
夜の睡眠も安定してきたと感じる方も増えてくるかもしれませんが、「まだ寝たくない。遊んでいたい」「暗いのが怖い」という寝渋りや、夜中、突然「ギャー!」と悪夢を見てなかなか落ち着けない、などが増えてくるなど、これは全て精神の発達によるものです。
イヤイヤ期の寝渋りにはしっかりとした「お約束」で対応しながら、ネンネの時に「怖い」という気持ちがある場合には寄り添ってあげるのが睡眠を安定させる近道です。
こうした「怖い」を押し込めてしまうような、生後6ヵ月からの行うようなトレーニング(ネントレ)は適さなくなってくる時期なので要注意。ネンネの癖を取ったり、新しい習慣を覚えてもらうためには、「幼児向け」トレーニングで時間をかけるのがとても大切です。
ねんねの目標目安
●イヤイヤ期に負けず、しっかりルーティーンのお約束を親も守りながら、夜の睡眠時間を最低10時間確保する早寝早起きリズムを。
●「夜」「眠る」のイメージを気持ちよく、穏やかに。
●「自分が寝た後ママパパはどうしてる?」「怖い夢を見ても大丈夫」寝る時の不安を解消できるよう「怖い」「寂しい」気持ちを和らげる工夫を。
【ネントレ不適期(幼児用のネントレに切り替える)】
この記事の監修・執筆
子どもの睡眠相談室『クークールナ』様
川口リエさん
オーストラリアクィーンズランド州立大学環境科学学部卒業。
東京都出身。札幌市在住。2児の母(11歳の男の子、6歳の女の子)
CISA認定小児スリープコンサルタント講師。
長男を出産を機にライフワークバランスを模索して、公共事業を手がけるコンサルタントとして独立(Rebrote設立)
長男の2年間の夜泣きに悩みながらの社会復帰の経験から、長女の妊娠をきっかけに子どもの睡眠についての情報収集・勉強をスタート。
2018年子どもの睡眠相談室CoucouLunaクークールナ開設し1600件(2023年6月現在)を超えるご家族サポートと、睡眠講座の講師を務める。
ワーママサポートや、双子育児、きょうだいでの寝かしつけ等、ご家庭に合わせたコンサルティングを行っている。
まとめ
いかがだったでしょうか。
新生児の頃の赤ちゃんのねんねと少し大きくなった1歳半ごろのねんねでは、関わり方が違うことがわかりますね。違いが分かることで心の余裕をもって接することができますよね。今日のねんねからぜひ取り入れてみていただけると嬉しいです。
次回もお楽しみに。