産後ケアホテル「産後ケアリトリート KISUI Takanawa」とは?
助産師でもあり、子育てをするママでもある大堀璃子さん。大堀さんが立ち上げに携わった産後ケアホテル『産後ケアリトリート KISUI Takanawa』はどのような想いをもって作られたのでしょうか。
助産師とママの視点から産後ケアホテルの重要性や、施設に込める想い、実際のサービスまで詳しくご紹介したいと思います。
助産師の大堀さんが考える「産後ケアホテル」とは?
産後ケアホテルは、「お母様・パートナー様の居場所」だと私は思っています。
産後のお母様・パートナー様のリアルな現状とは
どんなに我が子が可愛くても、産後は理由もなく泣けてくるときがあります。なんだかうまくできないことばかりのように感じることや、自分やパートナー様を責めてしまう時もあります。気持ちのコントロールができない、孤独を感じる、骨盤・腰・肩が痛い、眠れない…そんなお母様は少なくありません。その横で、家事に育児に仕事に、と頑張り、苦しくなるパートナー様もいます。
里帰りと両親の高齢化の子育てへの影響
昔はそんなお母様・パートナー様にも、頼れる存在”両親”が近くにいました。しかし現在は核家族化が進み、「里帰りをする」と言っても産後1か月頃にはご自宅に戻られる方がほとんど。そもそも約50%のお母様は里帰りをしません(*1)。出産年齢の高齢化も進み、それに伴い祖父母にあたる方の高齢化も進み、「両親を頼れない」という方も多くいらっしゃいます。「男性育休」も推奨はされているものの、まだまだ進んでおりません。このような状況で、産後1か月以降のお母様や、ご両親を頼ることのできないお母様、仕事を休めずに育児・家事も行うパートナー様は、いつ心身を休ませているのでしょうか。
これからの時代に安心して頼れる「居場所」として
ご出産を終えご自宅に帰られたお母様からよく聞く言葉があります。「小さな心配ごとがたくさん出てくるけど気軽に相談できる専門家がいない」。この心配ごとが重なることも心に重くのしかかります。
心身を休ませ、心配事を解消し、ご自宅に帰ってからも笑顔で育児ができるよう、笑顔でお子様の成長を見守れるよう、助産師がお母様・パートナー様のお手伝いをさせていただく場所。お母様・パートナー様がホッと力を抜ける、お母様・パートナー様の"居場所"。
それが、産後ケアホテルだと思っています。
*1: 厚生労働省. 妊産婦に対するメンタルヘルスケアのための
保健・医療の連携体制に関する調査研究, 2017. https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520478.pdf
KISUIのお母様に寄り添ったサービスへのこだわり
産後ケアの専門家チームによる24時間体制無制限のサポート
KISUIで母子・ご家族のケアにあたるチームは助産師(兼看護師)と保育士のみで構成されています。また、各スタッフが授乳支援、乳房ケア、骨盤ケア、産後のお母様の体重管理、乳児保育など各分野での学びを深めています。
24時間いつでも安心してお子様をお預けいただけるだけでなく、ご滞在中は助産師による乳房ケアや授乳支援、育児レッスンが回数の制限なく無料でご利用いただけるのが特にKISUIがこだわった点でもあります。産後の次々と出てくるお困りごとに対し、お母様が納得いくまで正しい知識と適切なケアを手厚くサポートします。
ご自宅での育児の不安解消のために
産後4か月未満のお子様に加え、パートナー様など大人1名様と添い寝のお子様1名様 (6歳未満) の同室宿泊は無料でご利用いただけます。充実したホテル内の施設をご利用いただくことができるとともに、都心で立地も良いため、ご自宅での育児中にはなかなかできない外食やお買い物などもお子様をお預けいただきお気軽にお楽しみいただけます。
また、ご滞在中に丁寧なカウンセリングを行い、ご自宅に戻られてからの過ごし方をご提案します。KISUIのご利用を通じてご自宅での育児への不安が解消され、希望する育児のスタイルが実現できますよう、全力でお手伝いいたします。
ergoPouchのスワドル導入を決めた理由
当施設では赤ちゃんたちに安心してねんねしてもらうために、ergoPouchのスワドルを利用しています。
赤ちゃんたちはお母様のお腹の中で小さく丸まって、羊水の圧に優しく包まれ、プカプカと心地よく10か月間を過ごします。この包まれた状態が、赤ちゃんにとっての"心地いい"状態です。当施設は常に、赤ちゃんの”心地いい”を大切にしてケアを考えているため、ねんねのときはなにかで包んであげたいと考えました。
包み方として、バスタオルなどでくるむ方法があります。ただ、強く締めすぎてしまうと関節等に支障がでることがあり、また、オムツをするたびにおくるみを外すことになります。ergoPouchのスワドルは、適度に赤ちゃんを包み、ある程度自由に手足を動かせる空間をつくり、オムツ替えの際には足元からチャックをあけることができるようになっています。ergoPouchのスワドルこそが赤ちゃんの”心地いい”を邪魔することのない、お母様にも優しいアイテムだと思いました。
ねんねに悩むお母様はたくさんいます。ねんねに悩む前に、悩まない未来のために、こんなアイテムがあることを知っていただきたく、早くから使っていただきたく、当施設で導入することを決めました。
妊娠中や産後のお母様に伝えたい子育てへの想い
産後は想像以上にホルモンの変化と睡眠不足の影響を受け、心身共に疲労が溜まります。産後1か月健診まではできる限り家にいなければならず、孤独感も抱きます。例えばワンオペ育児の場合や上の子がいる場合など、頑張れば頑張るほど心身がダメージを受け、気づいた時にはご自身では対処できない状況になっていることがあります。
育児は1人ではできません。1人でやる必要がないのです。ここに皆様の居場所があります。
心身の疲れを癒す目的で、育児方法を習得する目的で、リフレッシュする目的で、是非KISUIをご利用いただけますと嬉しいです。
宿泊型産後ケアホテル『産後ケアリトリート KISUI Takanawa』のご紹介
【住所】東京都港区高輪3丁目13-1 (グランドプリンスホテル新高輪内)
【交通アクセス】JR・京急線 品川駅徒歩約5分、都営浅草線 高輪台徒歩約5分
【ご利用いただける方】
・産後:産後直後~4か月未満
・産前:妊娠28週まで(産前の方は宿泊料が40%オフとなります)
※お母様と産後4か月未満のお子様に加え、大人1名様と添い寝のお子様1名様(6歳未満)の同室宿泊無料
【ホームページ】https://kisui.co/
この記事の監修・執筆
Soyogi株式会社 大堀璃子様
Soyogi株式会社 事業開発マネージャー
保健学博士、助産師、看護師、保健師の資格を保有。
東京医科歯科大学 卒業
東京大学大学院 医学系研究科 母性看護学・助産学分野 博士課程 修了
第37回日本助産学会最優秀演題賞受賞
助産師として総合病院にて勤務後、出張専門助産所を開業し、チャット相談や乳房マッサージ等を実施。同時に、東京大学大学院の博士課程へ進学。博士号取得後は研究員として、産後の体重管理や授乳支援をテーマとした研究を行う。
1歳の息子を育てる母として奮闘しながらも、KISUIの事業開発マネージャー兼助産師を努める。